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特集は「あらためて原発を考える

元京大原子炉実験所助教の小出裕章氏が汚染水放出の問題点を解説するとともにデブリの取り出しは絶対にできず、石棺による長期管理するしかないと語る。そして、一旦事故が起れば破局を招く原発は即座に全廃すべきと訴える。

高浜原発の運転差し止めの仮処分決定を出し、退官後も原発の危険性を訴え続ける元福 井地裁裁判長の樋口英明氏が、原発の耐震性基準の低さを指摘し、CO2削減を名目に原発を維持することの愚かしさを説く。

「ALPS処理汚染水放出禁止の差し止め訴訟」をおこしている脱原発弁護団全国連絡 会共同代表の河合弘之氏が、汚染水の放流は日本の道徳的優位性を壊し、福島の漁民に二重の被害を与えていると語る。また、原発の危険性を見ずに原発再稼働を進める無責任な進める人々を批判する。

原子力市民委員会の後藤政志氏が12年たっても使用済み燃料を取り出せない状態で廃炉に向けたロードマップは幻想だと語り、デブリの取り出しも難しい以上安全を確保しながら長期に管理する方法を考えるべきだと訴える。

政府はGXの名のもと原発政策を大転換しようとしているが、原発は脱炭素という意味でも経済的にも非合理的なエネルギー技術で、結果的に温暖化対策を遅らせ、産業政策としても将来に大きな禍根を残すと東北大大学院環境科学研究科教授の明日香壽川氏が解説する。

福島大学で開かれた第6回「原発と人権」全国研究・市民交流集会の模様を本誌古川英一編集委員が集会報告する。

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