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特集は「放送メディアと政治」

専修大教授の山田健太氏が、この間のメディアへの政治介入や総務省文書について解説するし、その一方で政治の介入を許した背景には、メディアに対する不信感といった市民社会の空気があったと指摘する。

ビデオジャーナリストの神保哲生氏が、放送法で規制されながらも自らの既得権益を政府によって守られている放送メディアの問題を指摘し、情報の自由な流れが確保されるかどうかは市民一人ひとりにかかっていると訴える。

「市民とともに歩み、自立したNHK会長を求める会」が主催したシンポジウムを採録。元文部科学事務次官の前川喜平氏とノンフィクション作家の森功氏の講演、それに続いて行われたシンポジウムの概要を掲載した。講演では、前川喜平氏がこの間のメディアへの政治介入と放送法の問題について語り、森功氏が安倍元首相の後援者だったJR東海の会長を務めた葛西敬之氏がNHKの経営委員人事を通じて政治によるNHK支配を進めたと指摘する。シンポジウムでは、前川氏、森氏に加え、元NHKプロデューサーでジャーナリストの長井暁氏、元NHK記者で法政大教授の大﨑雄二氏、元NHK経営委員で国立音大名誉教授の小林緑氏が自立したNHKと公共放送のありようについて語り合う。司会は元NHKプロデューサーで武蔵大教授の永田浩三氏。

本誌編集委員の村上勝彦氏の寄稿では、放送法で番組関係資料の提出を認めていないにもかかわらず、総務省の求めに応じて資料を自ら提出する放送局の姿勢について、放送法の目的である放送の自由や自律を放棄するもので、そうした姿勢が政治介入を招いていると指摘する。

特集以外では、毎日新聞客員編集委員の倉重篤郎氏からの統一地方選挙結果の分析と今後の政治がどうなるかについてご寄稿いただいた。

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