特集は「説明なき岸田政権 議論なき国会」
通常国会では安保3文書、防衛費増額、原発再稼働などの問題や重要法案がありながら国民に対する十分な説明もなく議論も盛り上がらなかった。上智大教授の中野晃一氏が、岸田政権の無責任さを批判するとともに、野党のちぐはぐな対応についても指摘する。
プライバシーアクション代表の白石孝氏が、マイナンバー制度やマイナ保険証の問題点について解説し、その推進によって政財癒着の利権構造が生まれ、監視社会へと向かう危険性があると警鐘をならす。
原発の運転期間を60年超にするGX脱炭素電源法案が成立したが、福島第一原発の原子炉内部の様子はいまだにわかっていない。圧力容器を支える台座の損傷もわかり耐震性も心配されている中、安全性は確保されるのか。原子力資料情報室共同代表の伴英幸氏がGX法と処理水の海洋放出の問題点を指摘する。
ジャーナリストの前田哲男氏が、昨年閣議決定された安保3文書は、台湾有事の際に沖縄を戦場とする「第二の沖縄戦」を想定していると指摘し、歴史に学ぶべきは軍拡と戦争の道ではなく、交渉による平和解決の道であると訴える。
LGBT理解増進法が自公、国民、維新の賛成で成立したが、「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」にした修正は差別を温存するものでしかなく、「すべての国民が安心して生活することができるよう留意する」という条文は、施策推進を止める口実になるものだとfair代表理事の松岡宗嗣氏が指摘し、理解増進ではなく抑制になると批判する。